自己診断で怪しい「しこり」すぐに検査!

入院生活は大変、でも、男性よりも女性の方が色々と大変。実体験をもとにみんなで共有しよう。

気まぐれに乳がんの触診を自己流でしていました。ある日、寝る前に久しぶりに触診をしていると、しこりのようなものがありました。まさか、と思いながら過ごしているときに、隣の席の同僚が大腸の検査をして、腸の写真を見せてきました。そのとき、何となく検査した方がいいかな、と思いつき、すぐに電話で予約をしました。

でも、まさかがんではないと思っていました。翌日検査に行き、マンモグラフィー、超音波検査を行いました。「これは違うよ」と言われると思っていましたが、「悪性腫瘍の可能性があります。」と言われました。細胞を採取している間は怖くて、ずっと泣いていました。3週間後、乳がんと告知されました。

がんが分かったとき離島に住んでいて、手術ができる病院に行くには飛行機で通わないといけないと言われました。実家が東京なので、東京の病院に決めましたが「この病院だと手術が3か月後になりますよ。なぜわざわざ東京に」と言われ、冷たい印象を受けました。手術できる病院が近くにないこと、東京に引っ越す予定があることを説明しました。

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担当は他の先生になり、手術まではホルモン療法で大きくしないようにし、部分切除することになりました。入院前に採血、麻酔科の説明、歯科検診などがありました。歯のかぶせものが取れたところがあるので、手術までの間に歯科医で治療してもらいました。 

コロナウイルスの影響で手術ができるかも危うく、家族との面会も不可でした。ですので、他の患者さんともあまりお話する雰囲気ではありませんでした。ですが、病室が8階で窓際だったので気が滅入ることもありませんでした。特に、東京タワーが医療従事者への感謝の気持ちを込めてブルーに点灯していたときは、看護師さんにもお知らせし、病室の人みんなで見ました。自然と、皆さんから看護師さんへの感謝の言葉が出てきて、コロナの影響でピリピリしていた中でほっとした瞬間でした。

また、丹沢の山々が見えたので富士山も見えるはず、と思って探していたら「今日は富士山が見えないわね」と声をかけられました。長く入院されている様子の方でした。翌朝、富士山がきれいに見えたとき、「富士山きれいに見えるわよ」と教えてくださいました。大雨のあとで龍のような雲が出ていたときにも、病室の人に声をかけて一緒に見ました。たぶん皆さん家族と面会できず不安だったと思いますが、それを共有することができました。 

一番怖かったのは飢えへの恐怖です。手術前日の夜9時から、当日の昼食まで食事をとってはいけなかったので、大食いの私にとってはとても不安でした。病院内にコンビニエンスストアはありますが、コロナウイルスの影響であまり出歩くわけにいかないので、入院前にお菓子を買い込んでいました。手術前日の夕食後、8時頃からお菓子をたくさん食べましたが、不安で不安で仕方がなかったです。おにぎりなど、おなかに溜まるものを買っておけば良かったと思いました。手術当日朝一の手術だったので、もう飢えへの恐怖はありませんでした。

手術の立ち会いは可能でしたが、断ったので一人で手術を受けることになりました。私よりも若い看護師や麻酔科医がてきぱきと働いていることに感動を覚えました。すぐに麻酔が利いて、寝て起きたら手術が終わっていました。病室に戻ってからは目が冴えて、眠れないけど体が動かせないのが困りました。

呼吸器をつけているのでスマホや本に触ることもできず、あまり腰が痛いので少しずつ体を動かして時間が過ぎるのを待ちました。午後には呼吸器が外れて、飲食も許されたのでまた買い込んだお菓子を食べました。安心したこともあり、何を食べても美味しく感じられました。

木, 12月 10 2020 » »