妊娠中の入院。患者同士の助け合い。

入院生活は大変、でも、男性よりも女性の方が色々と大変。実体験をもとにみんなで共有しよう。

20代後半で妊娠初期に原因不明の感染症にかかりました。理由のわからない寒気と腹痛がするので布団に入っていました。冬で気温が低かったので風邪かと思ったのですが、次第に腹痛が強くなり、出血が起こったので、夜中でしたがかかりつけの総合病院に連絡し、救急で受診しました。3日前に産婦人科で検診を受けたばかりで、特に体調に問題はないようでしたが、この腹痛はかなり痛みが強く、出血もあるのでただごとではないと感じました。

だんなが帰宅すると顔面蒼白の私を見て慌てて車の準備をして夜中に総合病院へ向かい、すぐに受診を受けると切迫流産の可能性があるので緊急入院することになりました。流産を予防する点滴を受けて病室で寝ていましたが、腹痛はとまらず、その後高熱も出ました。先生からは血液検査をしたところ、白血球の数値が異常に高く、なんらかの菌が感染しているのではないか、と言われました。

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流産を予防する薬を点滴しても腹痛と出血は止まらず、熱はどんどん上がっていき、40度を超えていました。解熱剤の座薬を何度か入れてもらいましたが、熱は全く下がりませんでした。腹痛は生理痛のような痛みで、流産するのではないかという恐怖もありましたが、高熱で激しい悪寒と体が硬直する感じに耐えながら、頑張ろうと思いました。しかしながら看護師さんからは「薬が効かないから、もしかするとだめかもしれないけどね」とも言われていました。

入院中に驚いたことは、病棟が古いためか、病棟に設置されている給湯室にゴキブリがたくさんいたことです。症状が治まり動けるようになってから、夜に廊下に設置されている給湯室に行きました。消灯されている給湯室の電気をつけ明るくなったとたん、一斉にさーっと逃げ隠れたのを見てしまいました。10匹以上はいたのですが、さすがに病院なので衛生管理は大丈夫なのか気になってしまいました。

今回の入院では流産してしまったので、つらいことのほうが多く、心が温かくなるような気持ちの余裕はほとんどありませんでした。しかし桃の節句にあたったため、食事に白飯ではなくちらし寿司が出たことがありました。普段食べるちらし寿司とは異なり、栄養面を重視して刻んだ高野豆腐が大量に入っていたことが印象的です。その時はあまり美味しいと思えませんでしたが、あとから思えば入院食に行事食が入っていたことや患者のために栄養強化されていた配慮には、少し心も温かくなりました。

妊娠3か月に入り3日前に初めて胎児の人間らしい形を画像で見て喜んでいたところだったので、どうしてこんなことになってしまうのか驚きましたし、状況がなかなか呑み込めませんでした。しかも体験したことのない高熱と痛みで、とても苦しい3日間でした。結局流産してしまい、流産すると嘘のように熱と腹痛も消えてしまいました。

その後はしばらく入院していましたが、相部屋で隣のベッドに入院していた骨折の患者さんが気を利かしてナースコールを押してくれたことがありがたかったです。41℃近い熱が出ていた時、とても寒いのですがナースコールを押したくても寒気で体が激しく震えるため、体が動きませんでした。そのことに気付いて代わりに看護師さんを呼んでくれ、処置をしてもらえたので助かりました。

病室ではお互いに具合が悪い者同士にも関わらず、健康な見舞客や看護師さんでも気づかない部分に気付いて行動を起こしてくれたことに感動しました。女性同士なので、自分も落ち着いてくると自然と少しづつ話すようになり、話すことで徐々に気持ちにも整理がついたと思います。今では2児の母になり、二人にももう少し大きくなったら兄弟がいたことを伝えたいと思っています。

水, 1月 27 2021 » »